この地域で100年に一度の大雪が降り、

車庫や庇が悲しいかなつぶれてしまった家が多数。

100年に一度と言われる想定外の積雪量ですが、

その崩壊したものにはいくつかの共通点があり、

どこも片持ちのはねだしタイプであったり、部材が細かったり、

柱の根巻部分が弱かったり、老朽化していたりと…

特にアルミや古い軽量鉄骨の被害が大きかったようです。

車庫だけでなく、家本体に被害をこうむったところも何軒かありますが…

やはりみるからに華奢につくってあるところが多いようです。

古民家で瓦の雪止めの配置も軒の先端になっていて、

これでは屋根への加重が重すぎ先端が垂れてもしかたがない感じ。

すべて何らかの理由があるんだなと思われ、

現在の決まりに沿って普通につくってある住宅は、

樋以外はそう被害はないようでした。

樋が大きく曲がったり、1メーター以上バルコニーに積もったせいで

多少水がしみたり、大屋根から大きな雪の塊がドスンと下屋に落ち

1階の屋根が少し沈んだりと、被害のカタチはいろいろと…。

アルミの勝手口の庇も折れてしまった家もあちこち。

大屋根の雪の衝撃の大きさを感じます。

こう考えると、平屋のお宅はほとんどの家が軒先端の雪下ろしを

していたみたいなので、大きく張り出た軒を持っていても被害なし。

20数軒の方から、早期にとのお願いをされていますが、

順番に少しづつ入らせていただいております。

(ちなみに弊社の建築物件はごく少数…念のため)

今回の雪では、特に山梨県からの依頼が多くあったのですが、

保険を使えることのありがたさを皆さん感じたようですね。

そして骨太の柔構造の木の家が強いということを再認識した日々でした。

在来工法のしっかりした軸組…古くからの日本の工法は凄い!

       そして雪は、遠くで見るのが美しい。

「日野・高幡の家」…完成しました。

先月も少しだけご紹介した日野の自然住宅・高幡の家が竣工!

外構もひと段落し、改めて、完成写真を公開します。

内外装の仕様

外装…黒ガルバ+杉板

屋根…黒ガルバ

軸組…相模原市緑区産・杉及び桧

内装…(床)杉板 (造作材)杉 

     (壁)漆喰+自然クロス (天井)杉板+漆喰+自然クロス

     (建具)杉無垢 (キッチン)クリナップオールステンレス仕様

     (家具)無垢杉の造作家具及び面付き自然木カウンター等

     (その他) 木製雨戸・ウッドデッキ・ウッドフェンス・土間仕様

このような「街中・自然住宅」の王道のような建物になりました。

完成した家の中の空気は、とても柔らかい。空気がゆったりしています。

思わず深呼吸したくなるような温かい木の香りに包まれています。

あとは…植栽…植栽…言うのは簡単、やる方はたいへんです!

着工から半年、外と中のギャップも楽しいガル&無垢の設えで、

調度いい広さと高さの「日野・高幡の家」…こんな感じに仕上がりました。












あと数年…木の塗装の色が少しだけ褪せてきて、

少し枯れた感じになると外観はもっと良くなります。

これから家と人が歳を重ねてお互いがじんわり近づいていきます。

最後に、施主様からのお礼の一行

「大切に住んでいきたいと思います」…ありがたいお言葉をいただきました。

こうして創和建設の日野市内での家づくりの中で、

「三沢の家」に続き、「高幡も家」も完成を迎えました。

次の「日野の家」はいまだに未定。「だれか~、建ててください!(笑)」

そして多摩地区では、もう少しで八王子や町田の家が始まります。

次回の完成写真は「多摩境の家」と「藤野のカフェ・てくてく」さんです。

こちらも、個性豊かな木の家になります。お楽しみに!

2014年03月11日

芹の家…上棟!

平屋に暮らす…藤野(日連地区)の平屋プロジェクト

「康(こう)の家」に続く(連のいえ)の2軒目

「芹(せり)の家」…棟上げ!

設計はこの企画のすべてをお願いしているビオフォルムさん。

簡素で質の高い平屋のこの家は、中村棟梁による指揮のもと、

地元・相模原の緑区で間伐された木材を使い、みなさんのチカラで

無事棟上げを迎えることができました。ありがとうございました。

当日は、施主様、建築家、大工をはじめ各職方、そして創和建設の面々が

参加し、近隣の暖かいご理解の中立派に建ちあがりました。

(もちろん事前に近隣の挨拶まわりは済ませてありますが…)

やはり周囲が開けた場所での平屋建築は大きく見えます。

土台を伏せ、足場の上から見下ろした時には、

「坪数ちがってない?」と感じたほど大きく見えました。

そしてこれから大きな軒が張り出してくることを考えるとさらに大きく…。

そういえば、昔の日本建築は規模の割にどこも大きくみえるんですよね。

実面積というより空間面積(容積)が大きいから。

また、これから数か月の間、和の佇まいの「芹の家」の造作が楽しめます。

やっている職人さんたちはたいへんだとは思いますが、

「連のいえ」を再びここで紹介できることがとても嬉しいです。

創和の山下が7つ締め、サッシ屋さんの小沢君が関東1っポン締め!

と2回も締めに締めた「芹の家」の上棟でした。

工期は長いとは言えないですが、大工さんは2名…途中から3名…の予定、

この家の造りと同じように、弊社のきわめて年輩の大工さんが勢ぞろい

                              

みんなで頑張りましょう。






6月頃には、ここの景色も違って見えてきます。

 神奈川県相模原市

「日連・田代の家」…竣工!


雪で大幅に遅れた「田代の家」

藤野の田代地区の建て替えのお客様の住まい。

ご夫婦二人の、ちょうどいいサイズの「終の棲家」。

バブル期のたぶん土地が高額な時期に買われたお客様ですが、

その広いとは言えない敷地のなかにこの家は建ちました。

創和建設が、半ば強引に説得し「無垢住宅」に持っていった感も

ございますが、最後はお客様にとても満足していただきました。

杉の床、珪藻土の壁、そして杉の建具…いい感じです。

   
   
   
   
   
   

この自然素材への強引さを正当化?というか規格化?したものが、

創和の国交省・地域型住宅ブランド化事業への参入です。

国交省のお墨付きをいただける地域ブランド型住宅。

今少し早く始まれば、この「田代の家」はドンピシャにフィットでした。

大きくない家、あまり無垢を意識していない家、長期優良にしやすい家

一般的な間取りの家、そのような家にはこの企画がぴったり。

そして合板をいくらかでも使う可能性がありますので、

化学物質過敏症の方の家ではないこと。

このような家を何とか地元材を利用した木の家にしていただく。

そんな総2階のシンプルな家づくりを目指されるということですね。

このての住宅が最もこの事業の恩恵を最大限に受けることができます。

そして特化したい工務店の入口としても、良さそうな気がします。

    …ローコストで無垢の家をつくる可能性を探る…

今年度の1社5軒というリミットはすでに埋まってしまいましたが、

来年度(たぶん夏ごろから)も継続すると思われます。

この補助金事業については相模原の桜まつりでも宣伝します。

「北相模・甲斐東部 里まちネットワーク」…ご興味がある方はぜひ!

                    

 風のいえプロジェクト

懐かしい現代民家「木と土と太陽の家」

3月1日(土)、再びみんなで集まりました。1年ぶりにこの家で…。

住み心地を確認し、大工さん・建具屋さん・材木屋さん・屋根屋さん

電気屋さん・水道屋さん・ビオフォルムの山田さん・ご近所の皆さんと

スタジオイエスの石塚さん、そして創和建設の小俣と志村の2名

   
   

施主兼設計者のご家族と一緒に1年以上経った住まいを堪能し、

家づくりが、参加したみなさんの技術と努力の賜物であることを再確認。

地産地消の骨太住宅という言葉がとても似合うこの家は、

伝統工法に木舞土壁という贅沢な手間暇かけた家づくりに、

仕上げのほとんどを漆喰で施すというこだわりよう。

照明もやや暗め、それが無垢の柱や梁の陰影をより素敵に映し出す。

24坪という決して大きくはない広さをまったく感じさせない絶妙の間取り。

照明が明るいばかりで蛍光色の家は、こうはいかない。

見せる所は見せる、こだわるところはこだわる。しかし省くところは省く。

ご家族にとっての、これが過不足ない絶妙な広さなんだと思います。

この過不足のとらえ方が、将来まで見据えた才能なんでしょう。

ごちゃごちゃ区切られていない家は、やはり人の暮らしが柔らかい。

「こういう生き方・暮らし方」という気持ちがこちらにも伝わってきます。

施主様ご自身の想いのカタチと言っていいと思います。

少しすいてきたきた仕口、細い亀裂が入った大梁など

無垢ならではのそんなところも何故か心地よく思えてきます。

   

ガンガンに焚かれた薪ストーブの炎の中で、

関係者のみんなが久しぶりに集い、笑顔で語り合った一時。

家と同じでギスギスしない落ち着いた空気が流れます。

そして、これだけの人数が集まっても不思議と狭くない空間づくり。

どこか懐かしい雰囲気も漂う「木と土と太陽の家」

竣工から1年経ち、徐々に人に馴染んできた家は…やはり本物でした。

自然住宅が4軒並んだ(良い具合に散らばった)風のいえの中で、

唯一平屋と呼べるこの家も、(他の3軒と同じように、)

あたりまえですが人と一緒に歳をとっていきます。

ここ「風のいえ」の4軒の20年後・30年後も楽しみ。

どの家も経年変化で色も褪せてきていると思いますが、

それでもいっこうに価値は下がらない…家は人より長く生きるもの。

次世代に長く大切に住みつないでいくもの…そんな気がした夜でした。