山と湖に囲まれたこの小さな藤野という町で、ひっそりと、しかしながら確かな存在感を放つ店があります。

そのお店の名は 「家族と一年商店」

このインタビューでは、私たちにとっては耳慣れないエシカルという言葉がたくさん出てきます。。
読んでいただき、少しでもわかっていただけますと幸いです。
家族と一年商店さん、日々の暮らしの中で無理なく環境や人権、
動物福祉に配慮できる“選び方”そして“生き方”を提案しています。
今回は、お店を営む中村さんに震災や子育てを通して育まれた価値観、
そしてお店に込めた思いを伺いました。

―まずは中村さんの自己紹介からお願いします。

もともとはドイツ生まれで、その後は立川の米軍ハウスに住んでいました。
11歳のとき、絵描きの父が「藤野はいいよ~」と友人に勧められて、アトリエを建てるために家族で
藤野に移住したのが30年前くらい。でも当時の私はちょうど思春期に入るころで、都会への憧れも強く、
田舎暮らしに正直抵抗がありました。
なので、中学からは私立に通い18歳で藤野を離れたので、藤野にはあまり地元という感覚はないかもしれません。

―藤野を離れていた期間が長かったんですね。若い時は都会って魅力がありますよね。それがどうして戻ることに?

子どもが小学校に上がるタイミングで「東京の暮らし、このままでいいのかな」と思うようになりました。大きなきっかけは藤野にあるシュタイナー学園への入学。教育面での魅力もありますが、それ以上に、この町の人の多様さや、受け入れる空気の広さに惹かれました。

―外から見ても、確かにここ藤野は他の町とちょっと変わってますよね。実際に戻ってきて、価値観が大きく変わった瞬間はありましたか?

長女が生まれた年に東日本大震災があり、原発事故も経験しました。
それまで環境やエネルギーの問題はどこか他人事でしたが、一気に現実になったんです。
子ども時代はドラえもんの世界のような「未来は便利で発展していく」と信じていましたが、
そのときから「今あるものを守る」ことの重要性を強く感じるようになりました。
東京ではエコやエシカルを意識しても、結局は“買う”ことでしか選択できない。
でも藤野では、もらう・分け合うが日常にあります。
そういう循環が「エシカルな暮らし」の本質に近いと思います。
モノを買うだけでは一方通行ですが、つくる・シェアする・循環させることで、
人も自然も豊かになるんです。

―「本当の豊かさって何なんだろう」ということなんですね。そして開店を目指すわけですね。ご自身のお店「家族と一年商店」の店舗をすぐにつくられたんですか?

いえいえ、最初は文章やSNSで、家族との暮らしやエシカルな選択について発信していました。コロナ禍になって、同じ方向を向く人とつながりたいと思い、2021年にオンラインショップをスタート。
私は「エシカル=真面目で難しい」って思われがちなところを変えたくて。
扱うのは環境や人権、動物福祉に配慮しつつ、暮らしにワクワクを与えるもの。
たとえば、手作りのラタンバスケットやフェアトレードのチョコレート。
ちょっと高くても、長く使えて背景が見えるものを選びたい。エシカルは義務じゃなく、
「選ぶのが楽しい」と感じられることがとても大事なんです。

~聞いている私たちにも「ウキウキ・ワクワク感」が伝わってきます。それが同じ方向を見ている方と徐々につながっていくんですね。~

―たくさんの候補地があったと思うんですが、店舗がこの場所になった理由はどうしてなんですか?

2025年です。藤野のgood night suitの神鳥さんから「うちの店の向かいでやってみない?」と声をかけてもらいました。実際に商品を手に取ってもらいながら、背景やつくり手の話を直接できるのは、エシカルを伝える上でも大きいです。遠方からわざわざ来てくださる方もいて、本当にうれしいですね。

―目の前のgood night suitさんからですか…これも“つながり”からなんですね。話は変わりますが、エシカルな暮らしをずっと続けるって大変じゃないですか?

完璧を目指さないことです。
私はVoicyで「エシカル暮らしA面B面」を配信していますが、A面は理想、B面は現実の悩みや失敗。
たとえば「プラスチックを減らそう」と思っても、完全には避けられません。
でも「できる範囲でやる」「そのことを共有する」ことで、周りもハードルを下げて参加できると思います。エシカルって、ダイエットに似ているんです。やりすぎれば続かないし、無理なく取り入れれば習慣になる。暮らしを変えることは小さな選択の積み重ね。
その積み重ねが、未来の環境や社会を少しずつ変えていくと思っています。

―この町にUターンで戻ってこられ、都会と比べてあらためて藤野で暮らす良さって感じることはありますか?

「助け合いが自然にある」ことです。
東京ではご近所付き合いが負担に感じることもありましたが、藤野ではそれが安心感に変わります。
エシカルな暮らしって、特別な活動ではなく、こうした日々の人との関わりの中に息づいているものだと思います。

―最後に、これからの一年商店について教えてください。

物を売る場所ではなく、価値観を分かち合う場所にしたいです。
エシカルな暮らしは、完璧じゃなくてもいい。まずは「これならできそう」という小さな一歩から。
そんなきっかけを提供できるお店であり続けたいですね。

〜そんなに大きくないお店、そんなに大きくない店主、けれどその発信力はたいしたものです。
皆さんも、JR藤野駅から徒歩1~2分の「家族と一年商店」へ是非遊びにいらっしゃってください。
店主の思いがこもったそこに飾ってあるモノの一つ一つを眺めそして手に取ることで、
きっと、いつもの暮らしとちょっと違った“暮らしの風景”が頭の中で描けるような気がします。〜

タイトルのツインハウスの意味ですが、
15年前に建てたアパートのすぐ隣りに、全体のデザインを意識して、
外装、内装ともまったく同じデザインのものを建てるから…
日照の関係で屋根の向きだけは逆になりますが…。

3月に仮設工事に入りましたが、上棟がここまで延びてしまいました。あとは、粛々と丁寧に仕事をする。
大工さんは、愛川町から来ている島崎さん、そのうちにインタビューしてきます。

それでは、ツインハウスお楽しみに…藤野駅まで徒歩10分、ほとんどフラットな道です。
ご興味のある方は、創和建設不動産部までお声かけ下さい。

埼玉県飯能市の家づくり。神奈川と埼玉と県は違えど、
創和建設は埼玉県内では、飯能との関係性が最も大きい。

その要因はいくつかあります。
創和のある藤野にシュタイナー学園、飯能市には自由の森学園があること。
ともに移住者が多く移り住んでいること、自然素材に敏感な方が多いこと。
創和建設のメインの設計者の設計室enの小野さんが住んでいること。
お付き合いしている西川材のフォレスト西川さんがあること。
大工さん、左官屋はじめ職人さんも飯能の街からそう遠くない街にいること。
そして、創和建設のスタッフが飯能の町が好きなこと。
そう、地図で見るよりそんなに遠くないんです。渋滞も少ない。

以前作った“菜園がある家“のS様邸から数年、また1軒飯能らしい家が始まります。
畑と山に囲まれた気持ちがいいとっても広い土地…
これだけでも楽しい家づくりになります。

施主のTさんご家族をはじめ、設計の小野さん、創和建設の監督の山口と志村、
飯能の家づくりのいつものメンバーが揃って地祭りを行いました。
その様子は写真からわかるかと思います。

今回のブログは、飯能の家づくりを国交省サイトから抜粋、
相模原市緑区の市会議員さんも参考にさせていただいております。
良いところは是非是非!真似しましょう!

創和建設 “菜園のある家”

構造材には、地元の材木、天然乾燥の西川材を使った地産地消の家。
外壁は、高千穂シラスのそとん壁、内部は杉の無垢材と、漆喰塗り、栗の造作キッチンに、
米のり、にかわを使って造った建具など自然素材で仕上げ、身体にも優しい造りとなっています。
農のある暮らし『飯能住まい制度』を利用して建てた住宅となります。

令和7年4月1日までの‟農のある暮らし”「飯能住まい」制度の進捗状況。

現地案内をしたご家族…411世帯 1119名
‟農のある暮らし”飯能住まい制度認定件数…80世帯 253名
「飯能住まい」をスタートされているご家族…70世帯 219名

‟農のある暮らし”「飯能住まい」住宅の建築の様子

実に素晴らしい👍

先日、1周年イベントを行ったGOOD NIGHT SUIT。

オーガニックコットンのこだわりのパジャマづくりと、コーヒーや焼き菓子がとっても美味しいカフェのオーナーと2つの顔を持つ神鳥智有さん。
そして、私たち創和建設にとっては自邸を建てさせていただいたありがたい施主様でもあります。

そんな神鳥さんに私たちがインタビューしたいなと思ったのは、それだけではなく、このカフェが藤野駅前にできたことで、この通りがちょっと変わった感じがして、いろんな人から「前よりもおしゃれになったね」というお声を多く聞くようになったから…おかげさまで、せっかくいい雰囲気になってきた藤野駅前の景観をもっと皆さんに知ってもらい、これからもずっと続いていってもらいたいという願いも込めてインタビューをさせていただきました。

ー藤野に移住されたきっかけを教えてくださいー
 
 私たち家族ですが、2020年4月に藤野に引っ越してきて、もう6年目になります。
もともと子どもの教育移住がきっかけでしたが、住んでいくうちにこの場所やここにいる人たちが好きになって、だからこそここに店舗を構えることに意味があるなぁって思ったんです。

ー駅前のこのビルは、最初からお店として借りたんですか?ー

 いえ、引っ越してきたころからこのビルは借りていたんですけど、最初の頃は1階を倉庫にしていました。ゆくゆくはカフェとお店にしたいと思っていて、昨年やっとお店ができました。

ーパジャマブランド「good night suit」をされていますが、どんな経緯で始めたんですか?ー
 
 パジャマのブランドは今年の8月で10年になります。
藤野に来る前は目黒に住んでいて、最初の4年間はセレクトショップや百貨店に卸をして知名度を上げつつ、自社のオンラインショップでも販売していました。
でも6年前からは卸をやめて、すべてオンラインだけの販売に切り替えたんです。
だから、実際にうちのパジャマを手に取れるのはここだけです。

 

ー素材など手に取ってみると普通のパジャマとは全然違うのはわかりますが、パジャマへのこだわりについても教えてくださいー
 
 話し出すと長くなりすぎちゃうくらい、こだわりしかないんですけど(笑)。
簡単に言うと、オーガニックコットンを使うだけじゃなくて、生産過程も含めてすべて倫理的で環境に配慮した方法を徹底しています。綿を育ててくださる方から、パジャマを着てくれる人まで、
すべてが心地よい循環を大切にしています。生地も縫製もすべて日本国内です。
実は、日本製の繊維製品は国内流通のわずか1.5%まで落ち込んでいるんですよ。
30年間で2万3千社あった繊維業界の会社が、1万社くらいまで減ってしまっていて、半分以下です。
この現状を何とかしたいという思いで、ブランド立ち上げ当初から「生地と縫製は日本」というのは変わりません。

ーまるで製材業みたいですよね。どの業界も人材難が問題で、
材はあっても加工するところがないから輸入に頼らざるを得ない。厳しい状況なんですね。
そんななかでもこだわりをもって取り組んでいるのは実に素晴らしいことですね。
もうひとつの顔のカフェについてですが、目黒から藤野に越されて、カフェを始めてみて違いを感じますか?ー
 
 違いばかりだと思います(笑)。
目黒でカフェをやっていたら、知らないお客様が多いと思いますが、ここでは顔見知りばかりで、
友達同士が話していたり、「はじめまして」の人同士が会話しているのを見られるのが嬉しいですね。
地域に根付いてきたなって感じます。
競合が少ないのもありますが、人も少ないので、楽しんでやっています。

 

ー楽しいは何よりです。この町って、ある意味濃いですものね。価値観を共有できる人と人が近しいというか…その場所を神鳥さんが作ったということだと思います。珈琲が大好きだとは聞いていますが、カフェをするにあたって、焙煎はご自身で?ー
 
 はい、コーヒーは僕が焙煎しています。オーガニックでフェアトレード、スペシャルティコーヒーという3つのこだわりは大事にしています。ただ、僕たち夫婦はスイーツが作れなかったので、
誰か探そうと思っていたときに麻子さんに出会ってお願いしました。

 

ーここで、地元出身の麻子さんが登場ですね。彼女の多彩さはいろんなところから耳に入っています。「麻子さんの作るお菓子は、どれもとても美味しい」という評判です。美味しい珈琲と美味しいお菓子など、どれもパジャマと一緒でこだわって作られていますね。最後に経営の面でお店をやってみて大変なこととか嬉しかったこととか、何か感じたことはありますか?ー
 
 1年やってみて、皆さんが家事の合間やお子さんを迎えに行く前など、慌ただしい日常の中で隙間時間を作って来てくれて、ここでお話しして帰っていくのを見ると、「お店を始めてよかったな」って思います。藤野に来てパジャマの販売だけじゃなくて、カフェも週2日だけの営業で、バランスよく楽しくやっています。来ていただけるひとたちの笑顔を見るのが本当に大好きです。
移住者が異常に多い町なので、その人たちの横のつながりは本当に強く、友達作りも自然にできましたし、共通の知り合いを通じてどんどん人が増えていくんです。
こんなに知り合いばかりの町って、他にないんじゃないかって思います。
それをさらに広げてつなげる場所になれたらいいなと思っています。

この町はイベントも多く、そこにはたくさんの人が来てくれます。
この店も、作家さんとコラボで展示販売をしたりいろいろと考えていますが、企画するのは大変なんです。作家さん同士のスケジュールがバッティングすることもありますしね。
でも、青年会議所の方が移住者に声をかけて一緒にイベントを作っている様子を見ると、
いい方向に進んでいるなって思いますし、大変でもそれが実に楽しいんです。
これからは、地元の人たちともっともっと繋がっていき、垣根の少ないお店になっていければとおもっています。

 

創和の町おこしブログには度々登場する言葉
「町おこしは、若者・よそもの・バカもの(馬鹿みたいに行動力がある)・そしてクッション材になれる地元民の協力によって成功する」みんなが行動を起こすことで町がどんどん変わっていく。
これから先、地元・藤野がどう変わっていくのか、“GOOD NIGHT SUIT”とともにとても楽しみにしています。
対面(といめん)には“家族と1年商店”、駅のすぐ下に“カドナリ”と、ここ2年で様変わりをしている藤野駅前。
ぜひ、一度オーガニック・コットンのパジャマを展示してあるこの場所に、そして美味しいこだわりの珈琲を飲みにきてくださいね。