2025年08月04日
藤野 パジャマ&カフェ “GOOD NIGHT SUIT”
先日、1周年イベントを行ったGOOD NIGHT SUIT。
オーガニックコットンのこだわりのパジャマづくりと、コーヒーや焼き菓子がとっても美味しいカフェのオーナーと2つの顔を持つ神鳥智有さん。
そして、私たち創和建設にとっては自邸を建てさせていただいたありがたい施主様でもあります。
そんな神鳥さんに私たちがインタビューしたいなと思ったのは、それだけではなく、このカフェが藤野駅前にできたことで、この通りがちょっと変わった感じがして、いろんな人から「前よりもおしゃれになったね」というお声を多く聞くようになったから…おかげさまで、せっかくいい雰囲気になってきた藤野駅前の景観をもっと皆さんに知ってもらい、これからもずっと続いていってもらいたいという願いも込めてインタビューをさせていただきました。
ー藤野に移住されたきっかけを教えてくださいー
私たち家族ですが、2020年4月に藤野に引っ越してきて、もう6年目になります。
もともと子どもの教育移住がきっかけでしたが、住んでいくうちにこの場所やここにいる人たちが好きになって、だからこそここに店舗を構えることに意味があるなぁって思ったんです。
ー駅前のこのビルは、最初からお店として借りたんですか?ー
いえ、引っ越してきたころからこのビルは借りていたんですけど、最初の頃は1階を倉庫にしていました。ゆくゆくはカフェとお店にしたいと思っていて、昨年やっとお店ができました。
ーパジャマブランド「good night suit」をされていますが、どんな経緯で始めたんですか?ー
パジャマのブランドは今年の8月で10年になります。
藤野に来る前は目黒に住んでいて、最初の4年間はセレクトショップや百貨店に卸をして知名度を上げつつ、自社のオンラインショップでも販売していました。
でも6年前からは卸をやめて、すべてオンラインだけの販売に切り替えたんです。
だから、実際にうちのパジャマを手に取れるのはここだけです。
ー素材など手に取ってみると普通のパジャマとは全然違うのはわかりますが、パジャマへのこだわりについても教えてくださいー
話し出すと長くなりすぎちゃうくらい、こだわりしかないんですけど(笑)。
簡単に言うと、オーガニックコットンを使うだけじゃなくて、生産過程も含めてすべて倫理的で環境に配慮した方法を徹底しています。綿を育ててくださる方から、パジャマを着てくれる人まで、
すべてが心地よい循環を大切にしています。生地も縫製もすべて日本国内です。
実は、日本製の繊維製品は国内流通のわずか1.5%まで落ち込んでいるんですよ。
30年間で2万3千社あった繊維業界の会社が、1万社くらいまで減ってしまっていて、半分以下です。
この現状を何とかしたいという思いで、ブランド立ち上げ当初から「生地と縫製は日本」というのは変わりません。
ーまるで製材業みたいですよね。どの業界も人材難が問題で、
材はあっても加工するところがないから輸入に頼らざるを得ない。厳しい状況なんですね。
そんななかでもこだわりをもって取り組んでいるのは実に素晴らしいことですね。
もうひとつの顔のカフェについてですが、目黒から藤野に越されて、カフェを始めてみて違いを感じますか?ー
違いばかりだと思います(笑)。
目黒でカフェをやっていたら、知らないお客様が多いと思いますが、ここでは顔見知りばかりで、
友達同士が話していたり、「はじめまして」の人同士が会話しているのを見られるのが嬉しいですね。
地域に根付いてきたなって感じます。
競合が少ないのもありますが、人も少ないので、楽しんでやっています。
ー楽しいは何よりです。この町って、ある意味濃いですものね。価値観を共有できる人と人が近しいというか…その場所を神鳥さんが作ったということだと思います。珈琲が大好きだとは聞いていますが、カフェをするにあたって、焙煎はご自身で?ー
はい、コーヒーは僕が焙煎しています。オーガニックでフェアトレード、スペシャルティコーヒーという3つのこだわりは大事にしています。ただ、僕たち夫婦はスイーツが作れなかったので、
誰か探そうと思っていたときに麻子さんに出会ってお願いしました。
ーここで、地元出身の麻子さんが登場ですね。彼女の多彩さはいろんなところから耳に入っています。「麻子さんの作るお菓子は、どれもとても美味しい」という評判です。美味しい珈琲と美味しいお菓子など、どれもパジャマと一緒でこだわって作られていますね。最後に経営の面でお店をやってみて大変なこととか嬉しかったこととか、何か感じたことはありますか?ー
1年やってみて、皆さんが家事の合間やお子さんを迎えに行く前など、慌ただしい日常の中で隙間時間を作って来てくれて、ここでお話しして帰っていくのを見ると、「お店を始めてよかったな」って思います。藤野に来てパジャマの販売だけじゃなくて、カフェも週2日だけの営業で、バランスよく楽しくやっています。来ていただけるひとたちの笑顔を見るのが本当に大好きです。
移住者が異常に多い町なので、その人たちの横のつながりは本当に強く、友達作りも自然にできましたし、共通の知り合いを通じてどんどん人が増えていくんです。
こんなに知り合いばかりの町って、他にないんじゃないかって思います。
それをさらに広げてつなげる場所になれたらいいなと思っています。
この町はイベントも多く、そこにはたくさんの人が来てくれます。
この店も、作家さんとコラボで展示販売をしたりいろいろと考えていますが、企画するのは大変なんです。作家さん同士のスケジュールがバッティングすることもありますしね。
でも、青年会議所の方が移住者に声をかけて一緒にイベントを作っている様子を見ると、
いい方向に進んでいるなって思いますし、大変でもそれが実に楽しいんです。
これからは、地元の人たちともっともっと繋がっていき、垣根の少ないお店になっていければとおもっています。
創和の町おこしブログには度々登場する言葉
「町おこしは、若者・よそもの・バカもの(馬鹿みたいに行動力がある)・そしてクッション材になれる地元民の協力によって成功する」みんなが行動を起こすことで町がどんどん変わっていく。
これから先、地元・藤野がどう変わっていくのか、“GOOD NIGHT SUIT”とともにとても楽しみにしています。
対面(といめん)には“家族と1年商店”、駅のすぐ下に“カドナリ”と、ここ2年で様変わりをしている藤野駅前。
ぜひ、一度オーガニック・コットンのパジャマを展示してあるこの場所に、そして美味しいこだわりの珈琲を飲みにきてくださいね。