2011年08月07日

「外張断熱」について…どんな暮らしを望んでますか?

先日、お世話になっている相模湖の不動産屋さん(ファミリーホームさん)に

「外張断熱」について聞かれ、どうしようか迷ったすえ、

(創和建設も「外張断熱」をやっている手前めったなことは言えませんが、)

いいことも悪いことも思っていることを正直に話しました。

建築場所は、相模原市緑区の相模湖付近の自然豊かな郊外の戸建住宅。

まず「外張断熱」をすすめるかですが、出来ればそうした方がいい…くらい。

ただしそれにはいろいろなきびしい条件があり、なんでもいいわけではなく、

1.間取り、外観は出来る限りシンプルにすること。

2.基本的に換気をいつも以上にキッチリとること。

3.外壁が発泡系断熱材の痩せや地震等の外的振動により

ずれ落ちる可能性があるので、施工に十分注意すること。

4.気密性が向上する分、家の中の化学物質が外に逃げずらいため、

建築材料をいつも以上に自然素材とすること。

5.設計・施工の全てを完璧にすると、かなりのコストアップを覚悟すること。

関東の気候や風土は「高気密・高断熱」はけっして向いていない。

「外張断熱」をすべきか否かの判断ですが、

最終的にはお金が余ったらということになるのかもしれません。

まず、構造や仕上材料によるマイナス要因をなるべく減らし本体を考え、

人体に負荷をかけない家づくりをする。

(特にお子さんのいる家庭は注意で、いまの通常の建物は体に良くない

接着剤や塗料がドラム缶にすると数本分使われているといいます。

…引っ越しの日にわかるゾクに言う新築の酸っぱい匂いがソレ)

そこをとにかく高気密・高断熱化って…とても考えられない世界です。

高気密は病気と背中合わせ…もっと削ぎ落とした考え方もあるのでは?


「自然住宅化」がまずありきで⇒次に「外張断熱」へ移行できるのでは。

それと、一番大切なことですが…どんな暮らしがしたいのか

その土地を選んだ理由が必ずあるはずで…10人いれば10人の暮らしが。

(建てる場所が自然と共存できる相模湖のような土地であれば…)

家にいる間は窓を開け、外の綺麗な空気をたくさん取りこむ生活をする。

冬でも、それこそ天気のいい日は窓全開、土間や床に昼間の熱を蓄える。

夏は夏で、涼しい風をとりいれ、エアコンばかりではない省エネ生活。

そして無垢の柱や梁、その他の仕上げ材が住空間を健康にしてくれる。

こんな「気持ちのいい暮らし」をより高めるためにプラスαがいくつか…

「薪ストーブ」を選ぶ人もいる。「地熱やそよ風」を選ぶ人もいる。

「大きな軒や庇」を作る人もいる。「庭や木を充実」させる人もいる。

そして「外張断熱」を選ぶ人もいる。そんな立ち位置の工法だと思う。

…と、ざっくり説明させていただきました。(私個人の意見です。)

なんでも付いているが、材料も腕も劣悪な住宅が多い昨今ですが…、

骨組みと仕上げをキチンと造り、余裕のある方は…是非「ソトダン」を!

以前高千穂さんから抜粋した「なんでもない家をつくる」…素敵です。