2013年11月14日
ゆっくりとした家・パート1…現代町屋「高尾の家」
現代町屋・高尾の家
今日から3日間は、多摩地区の3つの自然住宅の様子。
高尾の甲州街道沿いに建つ現代町屋「高尾の家」(八王子市)
ここ八王子という街はウナギの寝床の町屋造りも数多く残っています。
とくに八日町近辺の古~い商業地域など(松任谷由美さんのご実家等)
そんな八王子の西側「高尾の家」
地産地消~相模原市緑区青根の山で伐採した木でつくりました。
そして上棟から約5か月、やっとこの自然住宅の木工事が完了です。
(着工からではなく、上棟から5か月…)
ここまで出来ると、壁や天井の中身の苦労は消されてしまうのが少し残念。
このような「木の家」は、その他の住宅に比べ倍の手間がかかります。
構造・下地・仕上げすべてに、それなりに時間がかかります。
だからと言って最初から多人数で一気につくるのは難しい。
そして、この長~い時間にはそれなりのいい所があります。
無垢材は日に日に乾燥していき収縮します。それはしかたはないこと。
含水率20パーセントが徐々にいい具合に乾燥していきます。
高温乾燥・強制ドライではないので、この時間がじつに大切なんですね。
短時間で完成させると、引き渡し後でもまだ壁や天井の中で収縮します。
当然いいこともなく、仕上げの左官材やペンキなどにクラックも入りやすい。
ゆっくりとした家づくりには、こんなにいいことがあります…先人の知恵。
(現代のすべての住宅に当てはまるわけではありませんが)
そう、「昔は、もっともっとゆっくりだったんですよ~。」
それでは今でも「ゆっくりとした家づくり・パート1…東京・高尾の家」
アプローチからも町屋っぽいこの家のつくりが外観からわかります。
大工さんの仕事も終わり、あとは残りの仕上げを残すだけ。
これからの工事は、外装も内装も左官屋さんがメインとなります。
漆喰…漆喰…漆喰…漆喰と塗り壁だらけの工事が始まります。
古い街の高尾で、12月はじめの(完成見学会)を目指してもう一息です!
床の養生を剥すと、あたり一面に無垢の杉板があらわれます。楽しみ。
通りすがりの方から一言「ずんぶん時間かけてつくるんですね」…う~ん。
工務店としては褒められているような、ちょっとだけ悲しいような?
タイム・イズ・マネーを逆行している家づくり?
そこで弊社の材木屋のオヤジの一言
「50年経った木でつくれば50年持ちます。100年経った木でつくれば100年。
そして時間をかけてキチンとつくれば、家の寿命はもっともっと延びていく」
「ゆっくりとした家づくりのパート1、八王子市の高尾」の様子でした。
明日の日野市「高幡の家」に続く…