2013年10月28日
再考…「木と土と太陽の家」について
「木と土と太陽の家」
藤野・風のいえプロジェクトの3軒目のM様邸
こちらの施主さん、ご主人はトランジション藤野の森部の方。
そして奥様は建築家。もちろんこのご自宅の設計も。
先日、雑誌「住む」でも少し紹介されていた懐かしい平屋の伝統工法住宅。
この雑誌に載っていたことで、ふと考えてみました。実はこの家、大人気!
この建物は、決して大きくない(25坪を切る面積)述べ床面積ですが、
見た目だけでなく家の中に入っても、数字以上の大きさを感じます。
「どうしてだろう?」
外部は、軒が大きいことと屋根がシンプルなことが原因だと思うのですが、
内部に関しては、吹き抜けがある・間仕切りが少ない・当然建具や家具も
少ないことで可変性にも対応が可能になり広さを確保、
そんな中プライバシーは間取りのマジックでキチンと守られている。
そして、このバリアフリーの時代に短い梯子で上る小部屋もあることにより
やたら大きく感じるのかもしれない。どうなってんだ~空間がある。
フラットではないレベル差をあえて持たすことにより楽しい不思議空間に。
3LDKとか、そういう既成概念では推し量れないスケール感なんですね。
現在、このきなり舎さん「牧野の家」→(もうすぐちゃんとした名前で伝えます)
の設計が終盤を迎え、ここも斜面地に建つこともあり、やはりフラットではない。
どうなってんだ~空間を持つ高低差がある家の中心に座ってみると、
南面からは、バカデカい畑と遠くの山並みの景色がリビングに飛び込んでくる。
そしてここも、実際の坪数よりも大きく感じるのだろうと建てる前から期待大。
ハウスメーカーだったら「スキップフロアの家」?あたりで売るのかな?
モクレンのN様邸にも言えることなのですが、ここ田舎では、
「小さく建てて大きく暮らす家」あたりがぴったり!
そしてもう一つ、自然住宅というくくりの柔らかさはどこから来るのか?
私たちのようにゼネコンを経験してると、「窓の高さは揃えましょう」だったり
「配置も綺麗に当分割」だったり、規則正しくということを考えてしまう。
間取りというものに縛られてしまう固い習性も悲しいかなあります。
その点、「自然」というくくりの中では、あえて窓の高さや配置をちょっと
だけ「変」にする?この緩さがとても良く見えるのかも。
この「変」は、規則正しくないだけで、効率は理にかなっている。
換気や採光のことだけではなく、あとと何センチ上げると
そこに素晴らしい景色が映るからなどの理由で他と揃わないなど…。
「自然」に窓を効率良く気持ちよく配すると規則正しくならないだけ。
自然住宅とは、自然素材や無垢でつくるからだけでなく、
温熱環境や通気性などあらゆる意味で「自然」なのかな?
そこらあたりが一般住宅との違いになってくるんだろうな?
たぶん規則正しく積み上げられた方眼紙に書くような家は、
あまり自然ではないんですね。
このような事を考えながら「この分野の設計は難しい」といつも感じます。
今日は、風のいえ「木と土と太陽の家」をちょっとだけ考えてみました。
以上