2015年03月15日
設計で大切なこと…外から見るか、内から見るか?
最近とくに感じることがあります。
1年間に20~30軒近い家づくりをしている創和建設の
新築住宅の中で、毎年印象深い家が数軒…。
一般的に「家=間取りと素材」みたいな考えもありますが、
外注設計の多い創和はそのあたりの考えが少し違っていて、
窓の大切さ、そこから見える景色の大切さがとても重要。
実物をつくっているので余計に感じます。
どんな家にも必ずある「ちょっといい景色」、それは狭くても
部分的でも構わない。中から立って眺める坐って見上げるでも
構わない。窓のカタチも縦横サイズも位置も構わない。
そこを最大限活かすのが…そう建築家のお仕事なんです。
(この欄でも再三言ってきた、サッシの天端をとりあえず
揃えておこうという単純な設計ではそれは無理)
朝から晩にかけて太陽がどこから昇ってどこに沈む。
遠くの林やお隣さんの庭など、利用できるところはすべて計算。
要望間取りもあるし、それを実現する手法と悪戦苦闘、
だからこそ、設計期間が半年という長丁場になる。
たまにあるんです「何故、ここに開口が無い…なぜ?」みたいに。
その逆もあって「いったい何故ここに窓がある、それもこのサイズで」
そんなちょっと悲しい結果も…「優先順位が違ってませんか?」
間取りや便利さ重視になってしまった昨今の建物ですが、
それの計画の得意な建築家がけっしていい建築家ではなく、
その土地の一番楽しいところと、そこから見える美しい景色を
探すことが得意な方に出会えてこそ、幸せな家になるような…。
外から家を写した写真は雑誌に掲載されるが、
窓から見た景観は雑誌に載せようもないですから。
「勝手に言うだけって楽でいいですね~。」
時間もかかり価格もそう安価ではない建築家への依頼、いい人に出会うと
価格以上の価値のある景色と空間をプレゼントしてくれます。
「小さく建てて、豊かな景色を見せてくれる家」いいですね。
外から見るか内から見るか?…う~ん、どっちもですね。(我儘(笑))
最後に「描く方もつくる方も、一緒になって楽しむこと。もちろん施主も」
それを生かすも殺すも、施主さんご自身がモデルハウスや間取り集などの
業者からの「間取りの洗脳」から、真っ白なアタマに戻れるか…かな?
「多摩境の家」や「命が輝く家」のご主人さんが数度口にした言葉、
「家は3回建てなければというが、
私たちは1回ですが後悔するところがない!」
皆さん…普通は一生に一軒の家。いい出会いがあるといいですね。