2024年12月16日

住み繋いでいく美しさ…『欅のある家』古民家リノベーション完成!

山梨県上野原市の里山に完成した古民家のリノベーション。
皆様から「創和建設は、古民家大好きですね」と、良く言われます。
殆どが成功しているとは自負しておりますが、たまに頭を悩ませることも…。
成功するもするも、う〜んになってしまうことも、
それは、私たち工務店の努力だけではどうしょうもないところもあり、
やはり住まい手の施主様の想いと腹の括り方など関わり方がとっても大切になります。

施工前

今回の上野原の古民家リノベーション。一言、大成功です!
「あんな家が…こんなになる」の一言です。それもやり過ぎていない!
このやり過ぎていない感がとてもいい。
映画にたとえるならば「主役と脇役がちゃんとはっきりしている、
棲み分けが出来ている」そんな印象です。
担当の大橋が寄り添い、住まい手のNさんの夢と希望をまとめていき、
苦労した結果、とても絵になるそして心地いい空間が出来上がりました。

古民家再生は、とても難しい。いいところも悪いところもあります。
構造が劣化して、すでに住むのに適していないところまでいっていること。
外壁や屋根、そして全ての仕上げが朽ちていて、今にも剥離しそうなこと。
玄関ホールがリビングに比べて広すぎることや全体的にどんよりしていること。
なにしろ、広いは致し方ないですが、「暗い・寒い・怖い」の三重苦。
お客様も、世の中の流行りで古民家に手を出すと後悔します。
本物を見極め、無理に高いお金をかけて買わないことが大切だと思います。
(工事費が無くなってしまいますので、意味がなくなくなりますので…)

この家の工事も、右往左往しながら、時間をかけてここまできました。
プランニングで、玄関からキッチン・リビングへの繋がりを良く検討、
外部の大改修工事も劣化部分をきっちり補強・修繕する。
それも、ケミカルなものはいっさい使わない。本物で作る。
コスト削減のため、そして家づくりを楽しむために、施主自ら汗をかく。
板を張る、そして漆喰を塗る…お見事でした。

そして、 山梨県の旧街道に面したこの家は、街並みにも配慮できたような気がします。
施主様の「残すものは上手に残し、捨てるものは潔く捨てる」見事な覚悟に、
創和建設の最高齢の棟梁(関戸御大)の60年を超える技術力と、
大工になって約10年の仕事を舐めない生真面目な森川棟梁応援と、
そのまとめをする原監督、この家に携わるみんなの想いと技術がカタチになりました。

こうして、創和建設の古民家再生にまた一つ財産が出来ました。
木と土と太陽と…それらが混ざり合った風景が、より一層この家を
際立たせています。相乗効果と言えます。
伝統家屋ならではの歴史と味わいが環境に馴染んでいます。
「ぜひ、日本の風景の一コマ、街道と本物の家は残していきましょう!」


完成したこの家のも、まだまだ完成に至るには道半ば。これから
今まで以上に住まい手の色が加わり、素敵になっていくと思います。
そしてこれから、施主のNさんとは、また別のお付き合いが始まります。
楽しみにしています。ありがとうございました。