2015年05月21日

サザエさんファミリーの家?

   サザエさんファミリーの家

これは、数年前から耳にすることが多いキーワードの一つ。

かなりの方の口から「サザエさん」聞いています。

数十年、もしかすると100年同じ家族形態で暮すのでは?

みたいな普遍性の家族の形態。

 (波平さんはじめ、絵柄は変わってもみんな若いし)

じつは、先日のセミナーでも聞いたこのキーワードの使い方は、

「一生ずっと同じ家族形態の暮らし、20年後も30年後も

まったく変わらないサザエさんファミリーの暮らしは漫画の世界。

実際にこんな家族は考えられない。だから…」

建築業界では、可変性のない住宅の悪いたとえに使われます。

「10年・20年で家族も生活も変わり、それに対応できるように、

細かく仕切らずドアも減らして、出来る限り空間を広くとる。

日本人の1世帯あたりの人数は3人以下がもっとも多いらしい。

とくに使い捨てではない長持ちする優良住宅をつくる場合は、

余計に可変性ということにこだわるべきなんです。見た目だけでなく

その方が将来リフォームも低コストですみます。」みたいな喩に。

このセミナーでは他にも「う~ん(笑)」というキーワードがあり、

① リビングを縦に伸ばす(吹き抜けの2階の多目的ホール等を指す)

② 家族が別々のことをしながら一緒の空間に暮らす(家族の気配)

以上の2つは家族のつながりを重要視する家づくりの目標。

そして最後の ③ が…

「そこそこ便利、そこそこ不便…」じつにいい言葉です。

以上の3つが、現代の若者が「素敵!」と思う住まいのようです。

「大きいことはいいことだ」の昔のコマーシャルを見て育った

私たちのようなバブル期の見栄っ張り世代とは価値観が違います。

すべてが設計者のセンスと施主の思い切り。ともに腹をくくることかな?

弊社の建物の中には、1軒の家に扉が1つだけという、

腹をくくりすぎた建物もあります。それでもそこそこ便利です。

(平均、壁と建具は少ない工務店ではありますが…)


「そこそこ便利、そこそこ不便」…そこそこという言葉が特にいい!